俳優が読むべき有名な戯曲・小説15選

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俳優として知っておくべき戯曲ってあるのかな?

「かもめ」とか「ワーニャ伯父さん」とかなんかいろんな戯曲の話を聞くけど、どんな話なのか全然知らない

ワークショップで演劇をかなりやってる人たちに出会うと「チェーホフのかもめって〜」と、一般常識レベルで戯曲の話が出てきました。

まな

えっ…全く読んだことない

知ってますよ?の顔を装いながら、「演劇の世界では知ってたほうがいい戯曲」を読んできました。

本記事では、俳優なら知っておくべき有名な戯曲をお届けします

目次

俳優が知っておくべき有名な戯曲15選

俳優が読んでおいたほうがいい戯曲は次の15冊です。

まな

知ってるタイトルからクリック!

『桜の園』チェーホフ

没落貴族ラネーフスカヤ一家が経済的困窮から手放すはめになる美しい桜の園をめぐり、古い秩序と新興勢力による時代の変化がぶつかり合う。

登場人物たちは思い出や理想を抱えつつも、やがて避けがたい運命に飲み込まれ、哀愁と滑稽さを帯びた結末へと進んでいく。

『人形の家』イプセン

主人公ノラは、夫のために内緒で借金をした過去を秘密にしていたが、やがてその事実が明るみに出る。

夫の反応や社会的な束縛に失望したノラは、自分の人生を取り戻すために家を出ることを選択。

女性の自立と人間の自我の目覚めを描く近代演劇の代表的作品。

『熱海殺人事件』つかこうへい

熱海で起きた殺人事件を捜査する刑事たちの激しいやりとりを中心に、捜査の過程で明らかになる警察内部の権力構造や人間模様が描かれる。

新米刑事の正義感とベテランの狡猾さのぶつかり合いなどが緊迫感を生みつつ、テンポの速い会話と演劇的手法が印象を残す。

『かもめ』チェーホフ

若き作家志望のトレープレフの新作戯曲をめぐり、人々の愛や芸術への欲望が交錯する田舎の湖畔の物語。

女優への片思いや母への嫉妬が悲劇的な行為を誘発し、それぞれの夢と失望が浮き彫りとなる。

繊細な心理描写によって人間関係のもつれと芸術への情熱が描かれる。

『ハムレット』シェイクスピア

父王を毒殺し王位を奪った叔父への復讐を誓うハムレットは、疑いや憂鬱に苦しみながら行動を起こす。

幽霊の出現や狂気の芝居を用いて真相を暴こうとするが、誤った殺人や裏切りが連鎖し、悲劇的な結末を迎える。人間の内面の葛藤と復讐劇を描く名作。

『十二人の怒れる男』レジナルド・ローズ

殺人容疑の少年をめぐる陪審員十二人の評決が舞台。

一人を除いて全員が有罪を支持する中、一人の疑問から次々と証拠や証言にほころびが見えてくる。

先入観や偏見が議論を白熱させ、良心と正義が試される。人間の心理を鋭く描き出す密室劇の傑作。

『三人姉妹』チェーホフ

プローゾロフ家の三姉妹が、地方の退屈な生活から抜け出しモスクワへ帰る夢を持ちながら、戦争や家庭の変化など厳しい現実に押し流されていく。

都会への憧れと日々の倦怠感が交錯し、停滞する空気の中でそれでも生き続ける人間の切実さと諦観を描く。

『真夏の夜の夢』シェイクスピア

妖精王オベロンと女王タイターニアの争いや、若者たちの恋模様、森で芝居の稽古をする職人たちのドタバタが交錯する幻想的コメディ。

妖精パックの魔法が恋を混乱させ、登場人物たちは錯乱に陥るが、最後には祝宴のような調和と幸せがもたらされる。

『ワーニャ伯父さん』チェーホフ

田舎の屋敷を舞台に、ワーニャと姪のソーニャが退屈と失望の中で暮らしているところへ、教授とその若妻エレーナが滞在して波紋を広げる。

土地の売却騒動や愛憎のもつれが起こるが、結局は平凡な日常に戻るほかない。人間の報われなさと哀感を描き出す作品。

『オイディプス王』ソフォクレス

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テーベの王オイディプスは、疫病の原因を突き止めようとするうち、自身が父を殺し母と結婚していた事実を知る。

運命から逃れようとする彼の行為は悲劇を完成させ、真実の重みが明らかになる。人間の力では抗えない宿命と、それを知る苦しみを描く古典悲劇。

『人間嫌い』モリエール

主人公アルセストは社会の偽善を嫌い、真実のみを追求するがために周囲と衝突を繰り返す。愛する女性セリメーヌの社交的振る舞いにも耐えられず、最後には世を捨てようとする。

人間社会における誠実さと妥協の間で揺れる矛盾を痛烈に風刺した喜劇。

『ガラスの動物園』テネシー・ウィリアムズ

母アマンダ、息子トム、内気な娘ローラの三人暮らし。アマンダは娘の結婚相手を探すため、トムの同僚ジムを招くが、儚い希望は脆く崩れ去る。

ローラの大事なガラス細工は彼女自身の壊れやすさを象徴し、家族の閉塞感や夢の破綻が繊細に描かれる。

『セールスマンの死』アーサー・ミラー

老セールスマンのウィリーはアメリカンドリームを信じ続けるが、息子との不和や仕事の喪失で追いつめられる。

過去と現在が交錯するなかで現実を見失い、孤独の果てに悲劇的な最期を迎える。成功神話と資本主義社会の残酷さを浮き彫りにした名作。

『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット

荒涼とした道端で二人の男がゴドーという人物を待つが、ゴドーは一向に現れない。

二人は退屈を紛らすために雑談を重ね、通りかかるポッツォとラッキーとの奇妙なやりとりも繰り返される。

「待ち続ける」という行為自体の意味を問いかける不条理劇の代表。

『父と暮らせば』井上ひさし

広島で被爆し、生き残ったことに罪悪感を抱く娘・美津江のもとに、亡き父の幽霊が現れる。恋をためらう美津江を父は優しく励まし、幸せになることを願う。

原爆の悲劇を背負った親子の対話を通じて、生き抜くことの重みと愛の力が静かに浮かび上がる。

読んでおくべき戯曲・小説の作家12人

読んでおくべき戯曲・小説は色々ありますが、「有名な作家の作品」を読んでいくのがおすすめです。

ウィリアム・シェイクスピア (William Shakespeare)

イングランドが誇る劇作家・詩人。

幅広いジャンルの作品で人間心理を精緻に描き、後世の文学や演劇に大きな影響を与えた。その巧みな台詞回しとプロットは国境や時代を超えて愛され続けている。

多様な人間模様を描くことに秀で、韻律の美しさも評価が高い。世界各国で上演され、古典を超えた普遍性を備えているのも特徴。

代表作に『ハムレット』『ロミオとジュリエット』『マクベス』がある。

ヘンリック・イプセン (Henrik Ibsen)

近代演劇の父と呼ばれるノルウェーの劇作家。

社会問題や人間の内面を取り上げ、当時の慣習や価値観に鋭い批判を投げかけた。綿密な構成と象徴的な手法で深い心理を描き、新たな舞台表現を切り開いた点が特筆される。

伝統と革新を融合させながら、人間の苦悩や本質を問いかける作品が多い。代表作に『人形の家』『幽霊』『ヘッダ・ガーブレル』がある。

ソポクレス (Sophocles)

古代ギリシア三大悲劇詩人の一人。神と人間の宿命を重厚に描き、悲劇の様式を大きく発展させた。

清明な構成と劇的アイロニーを巧みに用い、人間の苦悩や運命を普遍的に問い続ける。作品には道徳的かつ哲学的な要素も濃厚に含まれ、後世の文学や思想に強い影響を与えた。

代表作に『オイディプス王』『アンティゴネ』『エレクトラ』がある。

アントン・チェーホフ (Anton Chekhov)

ロシア近代演劇の礎を築いた劇作家・小説家。

日常の中の些細なやりとりに焦点を当て、静かな情感を繊細に描くことで人間の内面や社会の変化を浮き彫りにした。沈黙や余白の妙を重視する作風は、台詞の一言一言に深みを与える。医師としての経験を生かした鋭い観察眼も魅力。

代表作に『かもめ』『三人姉妹』『桜の園』がある。

オスカー・ワイルド (Oscar Wilde)

アイルランド生まれの詩人・劇作家。

洒脱なウィットと優雅な文体で人間の欲望や社会の虚飾をあぶり出した。華麗な会話劇や上品なパロディを得意とし、美や快楽を至上とする美学を唱えた点が特徴的。

奔放な私生活と悲劇的な晩年も含め、時代を超えて強い印象を残す。

代表作に『サロメ』『ウィンダミア卿夫人の扇』『真面目が肝心』がある。

ベルトルト・ブレヒト (Bertolt Brecht)

ドイツを代表する劇作家・詩人・演劇理論家。

観客に冷静な視点をもたせる「異化効果」を打ち出し、社会問題や政治的テーマを鮮烈に描いた。歌や語りを効果的に織り込み、大衆性と批評性を両立させた舞台作りが特徴。

鋭い皮肉と洞察力をもって時代を捉え、演劇界に革新的な影響を与えた。

代表作に『三文オペラ』『ガリレイの生涯』『肝っ玉おっ母と子どもたち』がある。

ジャン・コクトー (Jean Cocteau)

フランスの詩人・劇作家・映画監督など、多岐にわたる分野で才能を示した芸術家。

シュルレアリスムやモダニズムの手法を取り入れ、幻想的で象徴的な世界観を構築。言葉や映像を自在に操り、人間の潜在意識や夢の領域を探求した。

前衛的なアプローチと洗練された感性で当時の芸術界を牽引した。

代表作に『オルフェ』『人間の声』『双頭の鷲』がある。

アーサー・ミラー (Arthur Miller)

アメリカの社会派劇作家で、人間の倫理観や正義に鋭い視線を注ぐ。

家庭や社会の矛盾を通じて、夢の崩壊や人間の弱さを浮き彫りにし、個人の尊厳や孤独を深く問いかけるのが特徴。

重厚な構成と印象的な台詞で現代劇の傑作を多く残し、国際的にも高く評価されている。

代表作に『セールスマンの死』『るつぼ』『みんな我が子』がある。

テネシー・ウィリアムズ (Tennessee Williams)

アメリカ南部の情緒や人間関係を軸に、欲望や孤独、心理的葛藤を生々しく描いた劇作家。

登場人物の内面を鋭く抉る台詞と、詩的で官能的な舞台空間が大きな魅力となっている。繊細な心情表現と抑えきれない衝動との対比が、作品に強いエモーションを与える。

代表作に『ガラスの動物園』『欲望という名の電車』『夏と煙』がある。

オスカー・ハマースタイン (Oscar Hammerstein II)

アメリカのミュージカル史を語るうえで欠かせない作詞家・脚本家。

リチャード・ロジャースと組んで数々の名作を世に送り出し、音楽と物語を融合させるスタイルを確立した。

人間味にあふれる歌詞と緻密なドラマ構成で、観客の心を深くつかむ作品を生み出す。優しさや希望がにじむ視点も特徴的。

代表作に『オクラホマ!』『南太平洋』『サウンド・オブ・ミュージック』がある。

ハロルド・ピンター (Harold Pinter)

イギリスを代表する現代劇作家で、独特の間や沈黙を強調する作風が「ピンター的沈黙」として知られる。

日常会話の裏に潜む権力や不条理を巧みに描き、観客に不安と緊張感を与える演出を得意とする。言葉の隙間から浮かび上がる心理的攻防が作品の魅力となっている。

代表作に『バースデー・パーティ』『帰郷』『背信』がある。

三島由紀夫

昭和期の日本文学を代表する作家であり、小説・戯曲・評論など幅広いジャンルで活躍。

伝統文化への深い敬意と耽美的表現を融合させ、戦後社会の喪失感や人間の欲望を鋭く描いた。華麗な文体や象徴的な舞台構成によって強烈な印象を与える作品が多い。

自身の思想や行動も含めて大きな話題を呼んだ。

代表作(戯曲)に『近代能楽集』『わが友ヒットラー』『サド侯爵夫人』がある。

つかこうへい

日本の演劇界を牽引した劇作家・演出家。

アグレッシブな台詞回しとテンポの良い場面転換で観客を惹きつける。庶民的な風俗や社会的テーマを絡め、人情や哀愁を笑いと涙で彩る舞台が特徴的。

役者のエネルギーを最大限に引き出す演出法でも評価が高く、多くの熱狂的ファンを生んだ。

代表作に『熱海殺人事件』『蒲田行進曲』『広島に原爆を落とす日』がある。

井上ひさし

日本の小説家・劇作家・放送作家として活躍し、巧みな言葉遊びと緻密な構成で独自の世界を築いた。

社会問題や歴史を扱いつつ、ユーモアや風刺をさりげなく織り交ぜ、読者や観客に深い余韻を与える。

戯曲では多彩な登場人物としっかりとしたプロットを展開し、人間の本質に迫る描写が際立つ。

代表作に『父と暮らせば』『國語元年』『イーハトーボの劇列車』がある。

まとめ|有名な戯曲を読んで、演劇の世界をもっと広げましょう

本記事では俳優が読んでおいたほうがいい有名・おすすめの戯曲・小説を15選ご紹介しました。

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