ワークショップで、想像力を鍛えろって言われた…けど、具体的にどうすればいいの?
想像力のある・なしは、その人のセンスもありますが、実は筋トレと同じく鍛えて身につけることもできます。
そこで本記事では日常の中でできる想像力の筋トレメニューをお届けします。
現役の俳優の人、これから俳優を目指す人、どちらであっても必要不可欠なスキルです。
ぜひ参考にしてください。
お芝居(演技)に必要な想像力って、どんなもの?
そもそもお芝居に必要な「想像力」って何がある?
想像力が大事!とよく言われますが、そもそも「想像力」の意味は
[名](スル)実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこと。
goo辞典より引用
実際に経験していないこと、現実には存在しないことを心の中で思い描く力が、想像力。
なるほど…。
日常や時代劇、ファンタジーなど、文字の中にこめられた物語を表現する俳優にとって、想像力は必要な力の一つと言えそうです。
ですが、わたしは「俳優の想像力」としては、“思い描くだけでは不十分”だと考えています。
なぜなら、「心の中で思い描いたものや感じたことを、自分の体を通して、表現に繋げる」のが俳優の仕事だと考えているからです。
えっ?どゆこと?
例えば、ある電車に乗っていて、スマホを見ながらニコニコしている人がいたとします。
よくわからないけど、ニコニコしている。こんな人を見て、あなたはどうでしょうか?
何かいいことあったのかな?とか思うかも…?
お芝居は、例であげた“ニコニコしている人”を、表現するのが俳優の役割です。
もしかすると、
- 大好きな恋人が嬉しいメッセージを送ってきてくれた
- うまれたばかりの子どもがついに歩けるようになった
- 頑張って勉強してきた資格がついに合格した
などなど、ほんのわずかな一瞬でもこれだけニコニコしている理由を想像することができます。
こうした理由・目的を自分で考えて、パッと出せるようにすることが、想像力を鍛える理由のひとつです。
また台本を読む時に、役の“見えない気持ちや価値観”を想像できると、自分の中でより具体的にイメージしやすくなり、役にも共感しやすくなりますよね。
共感しやすくなると、自然といろんな感情や表情が生まれるようになります。
「俳優の想像力」は心で思い描き広げる+見て信じること
ここまで色々書いてきましたが、私が思う「俳優の想像力」は、次の2つだと考えています。
- 文章中に描かれない役の気持ちや価値観、行動や考え方の癖を、台本から外れることなく想像することができる
- 物語の世界を想像して、その場にはなくても五感で素直に感じることができる
こう考えてみると、学校で教わる「想像力とはまた違うな」と感じる人もいるのではないでしょうか。
俳優の想像力は、物語の世界を自分の中にも取り込んで・信じて・感じる力
台本の役の気持ちを想像できることが大切なのはわかった!
でも、五感で感じるってどういうこと?
お芝居では、五感で感じられるくらい、具体的な状況を想像する必要があります。
感情を動かすためには、細かい想像力が必要だからです。
ですが、普段のアルバイトや仕事などをしている中では、こうした想像力を使う場は多くありません。
アルバイトの仕事は、いかに無駄なく与えられたものをこなしていくのかが重要です。
だからこそ、俳優としての想像力を鍛えるのであれば、自主的にトレーニングをする必要があるのです。
【お悩み別】1人でもできる想像力を伸ばすトレーニング
ここからお悩み別に、1人でできる想像力のトレーニングを紹介します。
お悩み①:価値観や気持ちを想像する時の引き出しを増やしたい → 読書で想像力強化
台本は脚本家の人が書いた言葉が物語になったものです。しかし、台本はあくまで「見えるもの」しか描かれていません。
(この方法は、想像力よりも台本の読み解き方に寄った話になりますが…!)
小説の場合、文章中に迷っている気持ちや考え方も表現されていることが多くあります。
そのため読書でいろんな物語を読むと、台本には描かれない気持ちや価値観を知ることができます。
自分が持っていない役の価値観や考え方を知ることにもつながるため、実際に想像する時には、よりその役を理解しやすくなります。
お悩み②:想像の世界を五感で感じるのが苦手 → 集中力と感じる力を鍛える
1人でもできるものを想像して、それを自分の五感で感じてみようというトレーニングです。
いきなり知らない土地を旅行する、といった状況を想像するのは難しいので、まずは小さく。
想像力を鍛えるイメトレのポイント
トレーニングの中でやたらと紅茶を出していますが、この想像する材料はあなたが日常的に触れているものがおすすめです。例えば水筒とか、スマホとか。
日常で何度も使っているものを想像すると、意外と普段見逃しているんだな〜ってことに気づけると思います。
具体的なイメージトレーニング:初級編
例えば、お気に入りのあったかい紅茶をマグカップに入れてみましょう。
- そのマグカップはどんな形をしていますか?
- 入れた紅茶は熱いですか?冷めていますか?
- 紅茶の香りはどうですか?
- 紅茶の色は?
- 紅茶を飲んでみたら、どんな風味がありましたか?
などなど。こうした内容を自分で確認して感じていきます。
想像力を鍛えるイメージトレーニング:中級編
今度はお気に入りの紅茶を水筒に入れて、近くの桜咲く公園にお花見にきたとしましょう。
- どんな空気ですか?
- 花の匂いはありますか?あるならそれはどんな匂いですか?
- 風は吹いていますか?
などなど、状況が感じられるようになったら、次は…
- その状況の中で飲む紅茶はどうですか?
- その想像の中に誰かいますか?それはどんな人ですか?
など…
状況を感じるだけでなく、その中で何か行動をしてみる、行き交う人を感じてみる。
これを積み重ねると自然と想像力のスイッチも入りやすくなります。
他に仲間がいたら、即興(エチュード)をやってみるのも効果あり
ここまでで1人でできる想像力の鍛え方について、ご紹介しました。
が、もし周りに俳優仲間やこういったことに興味のある友人などがいたら、お題を決めて小道具などなしでそのシチュエーションをやってみてください。
面白いシチュエーションの決め方のヒントに…
- いつ・どこで・誰と・何をした(する)の4つごとに、紙にテキトーに単語を書く
- テーマごとにシャッフルして、1枚ずつ引く
まとめ|想像力は台本から考える&自分で感じる力!鍛えて演技力に繋げていきましょう
本記事では「俳優に必要な想像力」をお届けしました。
俳優に必要な想像力とは…
- 文章中に描かれない役の気持ちや価値観、行動や考え方の癖を、台本から外れることなく想像することができる
- 物語の世界を想像して、その場にはなくても五感で素直に感じることができる
1人でも鍛えられる方法は?
- 想像する時の引き出しを増やすなら「読書」
- 五感を感じる想像力を鍛えるなら「集中力と感じる力を筋トレ」
想像力を鍛えるのは、筋トレと同じく地道なトレーニングが欠かせませんが、できるようになればきっとお芝居の幅も変わってきます。
俳優を目指す人に向けた記事を、ほかにもお届け中!ぜひのぞいてください。
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